2017年6月8日 ブログ 建具屋さんでよく使われる材料 blogNo.18 こんばんは!施工管理担当の西本進之助です(^_^) 今日は、建具製作に最も使う材料についてです。 スプルース 日本中の障子やドアの半数以上は、 この材料で作られていると言っても過言ではありません。 軽くて響きが良い為、 ピアノやギターにも使われる材料です。 日常生活ではあまり聞かない名前ですよね。 私は建具屋歴7年目になりますが、 仕事を始めた初日、 「スプ・・・? ん?なんて言われた?スプルース??(゜_゜)」 って感じでした(笑) 普通に生活していたら聞くことがあまりないですよね。 正式には、アラスカのシトカ地方が主産地の為、 「シトカスプルース」と呼ばれます。 弊社では、シトカスプルースの他にも、 カナダからアメリカのニューメキシコ州まで広く分布する 「ホワイトスプルース」も使用します。 では、なぜ“スプルース”という材料が広く使われるのでしょうか? スプルースの特徴 特徴① 柔らかい木目が通り、大きな材料が取れる すごく大きな丸太ですよね。 ここから製材されて↓ 弊社で入荷する時はこんな感じになっています。 特徴② 加工性が良好 スプルースはあまり堅くなく、 工場での機械作業や手作業もしやすい材料です。 特徴③ 光沢がある 仕上げのカンナをかけることで、光沢のある仕上げになります。 特徴①の通り、木目が通っているので逆目になりにくいです。 特徴④ 樹脂が少なく、匂いもきつくない 実は木材の匂いって、結構気になる方が多いです。 近年、匂いに敏感な方が増えている気がします。 ヒノキのような良い香りがするわけではないですが、 ほぼ無味無臭といわれています。(私が食べて確認したわけではないですが・・・笑) 特徴⑤ 価格帯も中程度 価格が著しく安い材料ではありませんが、 高くはない材料です。 特徴①~④がある上で、価格帯もお手頃だと使いやすいですよね! いつまでも あると思うな 親と“スプ” 数年前、ピアノの値上がりが話題になりました。 ピアノの材料である、スプルースの価格が上昇したからです。 大きな材料を取る為の大木は、 育つまでに100年超の年月がかかります。 地球温暖化“等”(※)の影響で、木の生育が早まり、 年輪のよく詰まった良質の木材が希少となったのです。 ※実際に地球温暖化が起こっているのか否か分からないので“等”としております。 建具材のスプルースも、近年良質な材料が少なってきています。 最近では、良質な材料の不足を理由に、 集成材の表面にスプルースを薄くそいだ物(俗に単板といいます) を貼りつけた材料がよく使用されたりします。 弊社では、数十㎥を輸入して、 できるだけ良質な大き目の素材を建具に使用し、 悪い箇所を避けながら、細い部材を取り分けているので、 何とか無垢材の安定供給ができております。 写真のように、かなり気を使いながら、 材料取りをしています。 木取作業は重要な仕事で、 弊社では、最年長の職長が木取作業を仕切っています。 限りある資源をいつも大切に扱ってくれる 職人さんたちに感謝です^ ^